作文・夏休みの思い出

作文・夏休みとヤス

宿題を慌ててやるとか、そういう思い出。
あったような、ないような。

ドリルなんかは夏休みが始まるとさっさと済ませるタイプ。
自由研究もノリノリ!
春から何をやるかワクワクしてね!

それでもサボるとこ、徹底的にサボってさ。
絵日記は一回もつけないで、メモ書きだけ残して。
登校日が近づくとテキトーなことばっかり書いてね。

あれ?この日は何してたっけって日は、

『ヤスと遊んだ。楽しかった』

このヤスってのは近所に住んでた幼なじみ。
本名はヤスミツ、だからヤス。

ヤスは無口な少年で。
クラスで誰とも喋らない。
おまけに笑わない。

だからといってイジメられることもない。
それはなんでか。
みんな知ってる。

ヤスの投げる球が速いから

グローブにめり込むようなヤスのボール。
ドッチボールでも突き指覚悟。
ヤスの球はとにかく重い。

裸電球とヤスは幼なじみ。
といっても幼稚園から帰ってきてから遊ぶ。

ヤスは幼稚園にも保育園にも通っていないから。
日中はコンクリ壁にボールを投げて過ごすんだ。

ヤスは3歳からの幼なじみ。
でも小学校の友達からすると、新人。
だれだあいつ。

ヤスだよ、ヤスミツ。
僕の幼なじみ。
へー、そんなヤツ、幼稚園にいなかったよね。

ヤスが「小学生」になって
初めての夏休み。

俺の絵日記は
「ヤスと遊んだ、楽しかった」でいっぱいだ。

よし、ヤス。
聞いたこともなかったけどよ。
お前の絵日記にはなんて書いてあったんだ?

喋らない、笑わない。
お前の絵日記には何て書いてあったんだ?

中学で話さなくなったな。
お前は誰とも。

球は、やっぱり速かった。

最近、パチンコ屋でお前を見たって噂。
聞いたぜ。

ヤス、お前。
勝ったらちゃんと笑えよな。

数少ない笑顔の証人、それが俺だ。
お前、ニコニコ笑うの、みんなにばらすぞ。
元気でやれよ、ヤス。

HADAKA DENKYU


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