裸の作文・変てこな夜

変てこな夜

ご飯ばかり記事にしてると、
時折フッとね、
違うことしたくなるんだよね。

裸の作文。

たまに何も考えずにパソコンに向かい、
パラパラと思ったままを綴りたくなる。

何も考えていないといえば嘘になるが、
考えているといっても、これまた嘘になる。

そんな思考回路。
ただパラパラと、感情のままに、裸の作文。

これね、家の前なんだけどさ。
変てこな夜がゆっくり暮れていたんだ。

ただそこに雲。
ただそこに月。

なんだろう、
今夜は寝付きが悪そうな、
なんだろう、
悩みもないくせに、何となく不安になるような。

変てこな夜が暮れていたんだ。

黒猫を異様に怖がる子どもだった。
理由も明確。
あれのせい。

もう寝なさいって怒られてるのに
親が観ている番組をこっそり。
「世にも奇妙な物語」

たらららら、たららららぁ~。

椅子と黒猫。

それ以来、黒猫を異様に怖がる子どもになった。

鼻の奥がツーンとなるような
心の乱れ。
恐怖感、いや不安なのか。

実家のすぐ近くに
ばあちゃんが暮らしていて、
じいちゃんはもう死んじゃった。

だからばあちゃんも家に呼んで、
たまに晩ご飯を食べるんだ。

酒も飲む。

ばあちゃんは夜の9時を回ると、
帰ろうかと支度を始める。

母親は残ったおかずを持って帰りなさいと、
タッパーを用意する。

ばあちゃんだけで帰すのは
いくら近くても危ないと、
一度脱いだ靴下を履く。
私の役目だ、送る。

空には満月。
風はなく、散らばった雲の隙間から
パラパラと光がこぼれる。

悩みもないくせに。
さっきまで楽しかったくせに。

ばあちゃんの歩幅に合わせると不安。
時の流れ、月の満ち欠け。

いつか死ぬんだ。
知ってる。

5分そこそこ。
思いのままにパラパラと。
考えていないといえば嘘、
考えているといっても嘘。

裸の作文。
そんな夜が暮れていく。

HADAKA DENKYU

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