詩・火葬場の煙突

火葬場の煙突

依りつくものも持たず
誰の背後を守る訳でもなく
最後の最後
天を仰ぐ直前の判断で
私はこのまま煙突の中にいようと決めました

私の肉体を焼いた黒煙が
まだうっすらと残る自尊心が
愛し君との思い出が
混ざるでもなく絡み合って浮かんでいきます

快晴の青空に白くのびる
私を形成していた諸々が白くのびる

立ち上る行方に気づき
私は煙突に依りました

ここで待とうと思います

いつまでもいつまでも
ススで汚れた内壁にぴたりと張り付いて
ここで待とうと思います


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HADAKA DENKYU

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