詩・風の手

風の手

風と手をつなぐのは
きっともう二度と
君と手をつなぐことがないとわかっているから

ほんの少し
指をひらいて
ほんの少し
手のひらをすぼめて

遠くで電車の音がする
どこかの家の
魚が焼けるにおいがする

季節は巡り夏の風

朝日と夕焼けを
ただぼんやりと

見ていた気は、ない

風の手を
強く強く握れば

まるでそこに
誰もいないかのように痛むんだ

HADAKA DENKYU

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